起立性調節障害(OD)と睡眠・枕の関係性は?朝起きられない・フラフラする子供の睡眠環境を整形外科医が解説
16号整形外科院長であり、山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
今回は、起立性調節障害(OD)と睡眠の関係について、子供の不調や適切な枕の考え方も交えながらお話ししたいと思います。
目次
朝起きられない子供は起立性調節障害?
起立性調節障害(OD)という言葉、あまり聞いたことないかもしれません。
子供が朝起きられなくて辛い、起きてもフラフラする、朝は眠くて集中力がない、朝は苦手というお子さんは結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
そんなお子さんがみんな「怠け者」というわけではなく、中には起立性調節障害の可能性があるんです。
是非、全国のお母様お父様、この病気のことをちょっと知っていただいて、ご自身のお子さんは大丈夫かなというところに注意を働かせていただければと思います。
起立性調節障害とは?
多く起こる年代と症状
この障害は小学校の高学年、中学生、高校生の10代のお子さんに多く見られます。
たまに大人にも見られるんですが、圧倒的にお子さんが多いです。朝が来ても容易にベッドから起きられない。そして、やっと起きてもフラフラ疲れている。
なぜか朝から疲れているということで、立ちくらみ、めまい、疲れやすいといった症状が出ます。これは起立性調節障害の3大症状なんですね。
それ以外にも頭痛や食欲低下、運動もしていないのに息切れがする、乗り物に乗ると酔ってしまうといった、普通にありがちな症状ではあるものの、あまりにもこれがひどいとしたら起立性調節障害ではないかと疑ってほしいのです。
大人の場合
大人の場合だと遅刻・欠勤・午前中に仕事の効率が悪いといったことが起こります。
さすがに大人になったら「仕事に間に合わないのはいけない」と思って何とかしようとすると思いますが、やろうと思ってもできないのが病気なんですね。これ、すごい辛いと思います。周りの人から見ると、怠け者のように見えてしまい、なかなか病気だと理解してもらえないという側面があります。
対処方法
1、生活指導
朝目を覚ました時に、頭からバッと起きちゃダメなんです。体をゆっくりと起こしながら、最後に頭が起きてくるという感じで起きてください。
あとは水を飲むこと。起立性の調節障害ですから、寝たところから立つことによって血液の流れが追いつけないわけなんですね。水をたくさん飲んで体の中の水分の循環、血液の流れのボリュームを増やすということが重要です。体格によっても違いますが、大体1日1.5〜2L以上飲まなきゃいけません。そして、循環させるためにはやっぱり歩くことです。
2、薬物療法
もちろん病気ですので、生活の指導、生活の習慣を変えても改善しない場合には薬物療法が必要です。ミドドリンやアメジニウムというお薬が、血管を収縮させて血圧を上げる効果があり、専門的には必要なようです。あとは漢方などもあるようです。
ですので、まずはあまりにも朝起きられず、起きてもフラフラしてちょっとおかしいなと思ったら、必ず小児科の先生にご相談をしてください。
子供の朝の不調(頭痛・首の痛み)と枕の関係
起立性調節障害の症状とも重なる部分がありますが、「朝だけ頭が痛い」「起きると徐々に治まる」といったお子さんの頭痛や首の痛みは、実は枕が合っていないサインである可能性も高いのです。睡眠中に首へ大きな負担がかかり続けることで、頸性頭痛などを引き起こしているケースが少なくありません。
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起立性調節障害と枕・睡眠インフラの重要性
枕が起立性調節障害そのものを直接完治させるわけではありません。しかし、睡眠は心身を整えるための重要な「インフラ」です。
私のクリニック(16号整形外科)にも、めまいや朝のふらつき、頭痛を主訴とするお子様が多く来院されます。適切な睡眠姿勢を保つことは、これらの症状を和らげる上で非常に大切であり、その中心となるのが「枕」です。
実際、お子様であっても不適切な枕を使っている例が本当に多いのが現状です。大人向けの凹凸がある枕をそのまま使わされていたり、親御さんのお下がりの枕を使っていたり、ふわふわした羽毛枕に埋もれて寝ていたり……。これらは睡眠姿勢を崩し、病気そのものに悪影響を与えてしまう原因になり得ます。
体に合った正しい高さの枕に変えることで、「朝すんなり起きられるようになった」「朝から元気に学校へ行けるようになった」というお子様はたくさんいらっしゃいます。病気自体のケアだけでなく、まずは土台となる睡眠インフラを見直すことが重要なのです。
子供に枕はいつから必要?選び方の基準
子供の枕選びにおいて、最も避けてほしいのは「柔らかい枕」「ドーナツ型枕」「凹凸枕」です。子供の成長期の大切な眠りを守るためには、大人と同様に「適切な高さ(5mm単位での調整)」「適度な硬さ」「平らな形」の3大条件を満たす必要があります。寝相が悪く暴れてしまうのも、枕が合わず寝返りがスムーズに打てていないサインかもしれません。
年齢別の枕の考え方
- 0歳(歩き始める前):枕は本当に不要です(高さ0cm)。
- 1歳〜小学生未満:歩き始めたら何らかの枕が必要になります。3歳頃の目安は約2cmです。
- 6歳(小学校入学以降):骨格が徐々に大人に近づくため、体格に合わせた高さ調節が重要になります(8歳頃の目安は約5cm)。
- 10歳以上:体格や骨格がさらに大人に近づくため、オーダーメイドの「整形外科枕」の対象となります。
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少なくとも10歳以上には枕を使う必要があると考えています。枕が本当にいらないのは歩きはじめる前の0歳時のみで、それ以上は何らかの枕が必要です。小学生になったら適切な枕をぜひ合わせてください。
10歳未満の小さなお子様には、まずは手軽に高さを細かく変更・再現できる「手作りの玄関マット枕」や「タオルケット枕」から試していただくことをお勧めしています。
起立性調節障害(OD)の対策、そして子供の成長に合わせた睡眠インフラの重要性について説明してきました。お母さん、お父さん、ぜひ今回の内容を覚えておいていただき、お子様の健やかな毎日のためにお役立ていただけたら嬉しいです。
\ 子供の成長期の大切な眠り、朝の健康的な目覚めのために /
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っております。普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えしております。
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