寝るときのエアコンは28〜29度つけっぱなしがいい理由|夏の夜の設定温度を整形外科医が解説

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
寝苦しい夏の夜を快適に過ごすために
「エアコンをつけたまま寝るのがいいですか?」「設定温度は何度がいいですか?」——枕外来でも非常に多くいただく質問です。
近年は地球温暖化の影響もあり、夜になっても気温が下がらない日が続いています。睡眠をうまく取れないと、日中の体力の回復だけでなく、記憶力・集中力・仕事のパフォーマンスにも悪影響が出ると言われています。
夜中に途中覚醒しないよう、ぐっすりと眠ることはとても大切なことです。そのために、エアコンを使って適切な室温を管理することが重要です。厚生労働省もエアコンによる夜間の室内温度管理を推奨しており、私もその考え方に賛成です。
ただし、一人ひとりの住宅環境や体質によって最適な温度は異なります。今回お伝えする基準をもとに、ご自身で微調整していただければと思います。
なぜ「暑い」と眠れないのか|深部体温のしくみ

暑いと眠れない根本的な原因は、「深部体温」にあります。
人間の体は、体の深部(内臓など)の温度を自動的に管理しています。この深部体温が一定量下がらないと、眠りに入ることができません。暑いと体が火照り、深部体温を下げ切ることができないため、なかなか寝付けなくなるのです。
また、夜中に暑くて目が覚めてしまう「中途覚醒」も問題です。タイマーでエアコンが切れて気温が上昇したり、掛け布団が体に絡まって熱がこもったりすると、深部体温が上がり覚醒してしまいます。この睡眠の分断が、睡眠の質を大きく損ないます。
エアコンは28〜29度でつけっぱなしがいい理由

私が提案する設定温度は、一晩中28〜29度を維持できる設定です。そのためにエアコンはつけっぱなしにすることをおすすめします。
「電気代がかかるのでは?」と心配される方も多いですが、節約のためにタイマーで切ると、閉め切った寝室の温度が急上昇し、熱中症リスクが上がります。熱中症で救急搬送・入院となれば、電気代の節約どころではありません。夏の間は予防として、エアコンを惜しまず使ってください。
なお、最新のエアコンには、寝始めは26〜27度に設定し、深夜になったら自動で28〜29度に調整してくれる機能や、AI機能で湿度・温度を管理しながら省エネで運転するものもあります。電気代が気になる方は、専門ショップで相談してみてください。
「29度は意味ない」と感じる方へ
29度に設定しても「全然涼しくない」「意味がない」と感じる方は、住宅の断熱性・エアコンの設置場所・機器の年数が影響している可能性があります。
エアコン単体では部屋の温度を均一にするのが難しい場合があります。そこで有効なのがサーキュレーターとの併用です。エアコンが出す冷気をサーキュレーターで部屋全体に循環させることで、設定温度を上げながらも体感温度を下げることができます。
サーキュレーターとの具体的な使い方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
おすすめの併用術:サーキュレーター活用法
エアコン+サーキュレーターで夏の寝室を快適に|電気代も節約できる使い方を解説
エアコン単独よりも、サーキュレーターを併用する方が電気代の節約になることも。風を直接当てずに部屋を効率よく冷やすポイントを動画付きで紹介します。
記事を読むエアコンの設定温度でパートナーとケンカしないための工夫
パートナーと一緒に寝ているご家庭では、「自分は暑がりだけど相手は寒がり」という悩みをよく耳にします。
寝室を分けることができれば理想ですが、スペースの問題でそれが難しい場合も多いです。そこで私からの提案は、
- エアコンの設定温度は暑がりの方に合わせる(低め設定)
- 寒がりの方は掛け物を厚くする、または長袖・長ズボンのパジャマにする
- 掛け布団はそれぞれ別々に用意する(寝返りも打ちやすくなり、熟睡しやすくなります)
温度設定そのものを毎晩争うより、寝具や寝間着で個人が調節する方が、お互いに快適に眠れます。
寝具の工夫で体感温度を調整する
エアコンの設定温度だけでなく、掛け布団の中の「床内温度」も重要です。タオルケットや布団と体の間にたまった空気の温度のことで、これを33度以下にすると良く眠れると言われています。
夏は吸湿性・放熱性に優れた素材の寝具を使うことで、エアコンの設定温度が多少高くても快適な床内温度を維持しやすくなります。
睡眠姿勢と枕も忘れないでください
室温を快適に整えても、睡眠姿勢が悪ければ良い睡眠は取れません。特に枕が体に合っていないと、首の姿勢が崩れて神経を傷め、寝返りが打ちづらくなります。
寝返りがスムーズにできないと体液循環が滞り、体の下に熱がこもって体温調節がうまくできなくなります。エアコンで室温を管理しながら、枕の高さ・硬さ・形状も見直してみてください。
体に合った枕の条件:
- 高さが合っていること
- 適度な硬さがあること
- 凹凸がなく平らな形であること
室温だけ整えても、首の姿勢が崩れていたら熟睡できません。
枕が体に合っていますか?
正しい高さが、寝返りと体温調節を助けます。
オーダーメイド枕「整形外科枕」
枕診断士が一人ひとりの体格を計測。医学的研究と臨床経験から生まれた独自の計測方法で、5mm単位の高さ調整を行います。
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ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと開発されました。

枕を作成された5万人のお客様の計測データをもとに、年齢・性別・身体計測値と枕の高さの相関について統計解析を行い、医学論文として発表しています。正しい枕の使用後に、頚椎症状・頭痛・不眠などの症状が改善されており、肩こり・頚部痛・手のしびれ・めまいなど多くの症状への有効性が確認されています。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えしております。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼

