横向きで寝ると肩が痛い・しびれる原因と対策|首の神経か肩関節か5つで判別+敷きパッドの正しい使い方
山田朱織枕研究所代表・16号整形外科院長の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

普段から診察室で患者様にお伝えしていることを、できるだけそのままお伝えします。
横向きで寝ると上の肩が痛くなる、朝起きると肩がこっている、寝ているときに肩がしびれて目が覚める…そのようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
就寝中の肩の痛みやしびれは、大きく分けて「肩関節の障害」と「首の神経(頸椎)の障害」の2種類が原因として考えられます。この2つは対処法がまったく異なるため、まず原因を正しく見極めることが重要です。
この記事では、5つのチェックポイントで自分の痛みの原因を判別する方法と、夜間の肩の痛みを和らげる枕・敷物の正しい使い方を詳しく解説します。
目次
寝ると肩が痛い・しびれる:考えられる病気の種類
夜間や就寝時に肩が痛くなる・しびれるという症状には、以下の疾患が考えられます。
| 原因の分類 | 主な疾患 | 症状の特徴 |
|---|---|---|
| 首の神経(頸椎) | 頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア | 首〜肩〜腕〜手先にかけてのしびれ・痛み。上側の肩が痛む。 |
| 肩関節 | 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)・腱板損傷・石灰沈着性腱炎 | 下になった肩が痛む。腕を上げる動作が制限される。 |
| 複合 | 頸椎の問題+肩関節の問題が同時に発生 | 両方の症状が混在することもあり、専門的な診断が必要。 |
※痛みが強い・2週間以上続く場合は、必ず整形外科を受診してください。
肩関節か首の神経か:原因を切り分ける

「夜間、首周りや肩が痛くて困っています。何が原因ですか?」このようなご質問を患者様からよく受けます。私はこの時、必ず2つの可能性を念頭において診察を行います。
①肩関節自体の障害・病気(四十肩・五十肩・腱板損傷など)
②首の神経の障害・病気(頸椎症・頸椎椎間板ヘルニアなど)
時には両方が混合して症状が出ることもあります。夜間や朝に肩が痛み、同時に首筋や肩甲骨周りにも症状が出て、さらに手がしびれることもある。この場合は肩関節だけでなく首の神経にも問題がある可能性が高いと考えます。
5つのチェックポイント(首の神経が原因かどうか)
あなたの肩の痛みが肩関節から来ているのか、首から来ているのかを判別するための5つのチェックポイントを解説します。
チェックリスト(当てはまるものに✓)
□ 横向きで寝ると、上側(天井側)の肩が痛い
□ 肩だけでなく、首・肘・手先まで痛い・しびれる
□ 手に力が入らない、物を落とすことがある
□ 万歳(両腕を頭上に上げる動作)ができる
□ 洋服の脱ぎ着は問題なくできる
5つすべてに当てはまる方は、肩関節よりも首の神経が原因である可能性が非常に高いです。
① 横向きで上側(天井側)の肩が痛い
横向きで寝た時、肩関節が原因の場合は下になった肩(圧迫される側)が痛むのが一般的です。一方、上側の肩が痛む場合は、首の神経が引っ張られたり圧迫されたりして症状が出ている可能性が高くなります。
② 首・肘・手先まで痛い・しびれる
肩関節の障害は、基本的に肩の周辺にのみ症状が出ます。首から腕、または手先まで痛みやしびれが広がっている場合は、首の神経が根本から圧迫・刺激されている頸椎由来の症状と考えるべきです。
③ 手に力が入らない・物を落とすことがある
肩関節が悪くなっても、ほとんどの場合は手に力が入らなくなることはありません。握力の低下や物を落とすような症状が出る場合は、首の神経が障害されているサインです。
④ 万歳ができる
四十肩・五十肩などで肩関節に障害がある場合、万歳の動作に制限や痛みが生じます。万歳が問題なくできる場合は、肩関節自体には大きな障害がなく、首の神経が原因で肩周辺に症状が出ている可能性が高いです。
⑤ 洋服の脱ぎ着は問題ない
洋服の脱ぎ着は肩関節にとって非常に複雑な動きです。脱ぎ着に問題がない場合は肩関節の機能は保たれていると判断でき、肩周辺の痛みは首の神経痛由来と考えるべきです。
チェックが3つ以上ついた方へ
首の神経が原因の場合も、肩関節が原因の場合も、枕の高さ・硬さが症状の改善に大きく関わります。
まずは自動計測システムで、あなたに合った枕の高さを確認してみてください。
枕を調節することの有効性

首が悪い場合も、肩関節が悪い場合も、枕を適切に調節することは両方に有効です。
柔らかい枕や高さが合っていない枕で寝ていると、首がグラグラして頸椎が不安定になり、首の神経痛が起こって肩周りまで痛くなることがあります。また、柔らかすぎる枕は横向き寝の際に肩が押しつぶされるため、肩関節の痛みも悪化させます。
高さの合った枕を使って首の神経を安静に保つことで、首から肩への神経痛が楽になります。また横向き寝の時も肩が適切に保持され、肩関節への圧迫も軽減されます。
肩が圧迫されるからといって枕を高くするのはNG

「横向きで肩が圧迫されるので枕を高くしたい」—これはバツです。
たとえば枕を1.5cm高くすると、このように首よりも頭がグーッと高くなります。

首の神経が引っ張られてしまい、首に大きな負担がかかります。いくら肩の圧迫が減っても、首の引っ張られる痛みや反対側の首が圧迫される痛みが出るうえ、寝返りもしにくくなってしまいます。
⚠️ 「肩が楽になった」と枕を高くし続けていませんか?
肩の圧迫への対策は枕の高さではなく、敷物(マットレス・敷きパッド)側での調節が正解です。以下でその方法を詳しく解説します。
敷きパッドの間違った使い方
基本的には枕を高くするのではなく、土台の敷物の肩を圧迫している部分を工夫するという考え方が正解です。ここで多くの方がやりがちな間違いがあります。
小さく折りたたんだ敷きパッドを肩の下だけに置く方法です。肩の圧迫感は取れても、これはバツです。

小さく折りたたんだことで背中のところに端がきて段差ができてしまいます。

この段差があると寝返りが非常にしにくくなってしまいます。
敷きパッドの正しい使い方
肉厚でしっかりした敷きパッドを選んだら、マットレス全体に敷くようにしましょう。ボックスシーツか端にゴムがついてしっかり固定できるものが最適です。

いろいろな敷きパッドが売られていますが、薄いものだと効果が出ないため、少し肉厚のしっかりしたものを選んでください。
敷きパッドをマットレス全体に敷いた状態で右向きにすると、右の肩の圧迫がなく楽になります。

全体に敷くことで体の下に段差がなくなり、寝返りもスムーズにできます。枕の高さはそのままで、肩の圧迫だけを取ることができます。

敷きパッドを整える前に、まず枕の高さが合っているかが重要です
横向きだけでなく、上向きや寝返りがしやすいかが大事です。枕の高さが合っていない状態でいくら敷きパッドを調整しても、根本的な改善にはなりません。
敷きパッドの素材選びの注意点
敷きパッドは寝た時に直接体に触れるものですので、毛足の長い素材やボアシーツのような毛羽立っているものは極力避けましょう。さらっとしていて寝返りを打つときに摩擦抵抗が起こらないものが理想です。
また、敷きパッドも布団やベッドマットレスと同じように重たい腰の部分などがへたってきたり、汗を吸って素材が悪くなってきたりします。適度に洗い替えるか、頭と足の方を逆にしたり外に干すなどして、いつも平らな状態を保つようにしてください。
体に合った枕の4つの条件
首や肩の夜間の痛みを改善するためには、以下の4つの条件を満たす枕を選ぶことが重要です。
条件1:高さが体格に合っていること
仰向けでは首の姿勢を整えて頸椎を安定させる。横向きでは体が布団と平行になる高さが理想です。

条件2:頭が沈み込まない適度な硬さがあること
首がぐらつかずに安定する硬さが必要です。柔らかすぎる枕は首の固定力がなく、寝返りのたびに頸椎に負荷がかかります。
条件3:凹凸がなく平らな形であること
凹凸があると頭がはまり込み、寝返りが打ちにくくなります。丸い頭がコロコロと転がるよう、平らな形が理想です。
条件4:メンテナンスができること
体格の変化や素材の劣化に合わせて高さを調整できる枕であることが重要です。継続的に調節できる仕組みが必要です。
横向き・仰向け・寝返り、
すべてに合う枕で「朝の痛み」を変える
4つの条件をすべて満たす整形外科枕は、5万人以上の計測データに基づいた完全オーダーメイド。仰向け・横向き・寝返りの3方向で高さを確認して決定します。作成後もお電話・メール・来店での調整が可能です。
よくある質問(FAQ)
Q. 横向きで寝ると上の肩が痛い場合、原因は何ですか?
横向きで上側(天井側)の肩が痛い場合は、肩関節ではなく首の神経(頸椎)が引っ張られて症状が出ている可能性が高いです。肩関節が原因の場合は圧迫される下側の肩が痛むことが多いため、上側が痛む場合は頸椎由来の神経痛を疑います。
Q. 寝ると肩が痛くなるのはどんな病気が考えられますか?
主な原因として、頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア(首の神経)、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)、腱板損傷、石灰沈着性腱炎が考えられます。複数の疾患が同時に起きている場合もあります。痛みが強い・2週間以上続く場合は整形外科の受診をお勧めします。
Q. 横向きで寝る時に肩が圧迫されて辛いのですが、枕を高くしても良いですか?
枕を高くするのはおすすめしません。枕を高くしすぎると首の神経が引っ張られ、首に大きな負担がかかります。肩の圧迫を軽減するには、枕の高さを変えるのではなく、土台となる敷きパッドをマットレス全体に敷いて肩の沈み込みを作ることが正解です。
Q. 首に負担をかけず、横向き寝の肩の圧迫を楽にする方法はありますか?
肉厚でしっかりとした敷きパッドをマットレス全体に敷くことをおすすめします。これにより肩の沈み込みを適切にサポートし、枕の高さを変えずに圧迫感を軽減できます。ただし、薄い敷きパッドや折りたたんで肩の下だけに置く使い方はNGです。全体に敷くことで寝返りもスムーズになります。
Q. 横向き寝で腕が痺れることがあるのですが、枕で改善しますか?
はい、改善の可能性があります。腕のしびれは肩の圧迫や首の姿勢の崩れが原因となることが多いです。体格に合った高さの枕で首の姿勢を整え、必要に応じて敷きパッドで肩の圧迫を和らげることで、神経への圧迫が緩和され、しびれや寝起きのこり感が軽減されたというお声が多く寄せられています。
Q. 肩の痛みは何科を受診すればよいですか?
整形外科を受診してください。夜間の肩の痛みは肩関節の病気と頸椎(首)の神経の病気のどちらも考えられます。整形外科では両方の視点から診察・検査を行い、適切な治療方針を立てることができます。
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夏場に寝ゴザを敷いた際、枕が低く感じて肩の圧迫が気になりましたが、アドバイス通りアジャスターシートで高さを微調整したところジャストフィット!横向きでも肩や腕が圧迫されることなく、寝起きの首こり感が少なくなりました。
腰痛や気道の詰まる感じがあり、以前は横向きでしか寝られませんでした。この枕は首にフィットして呼吸が楽になるためか、気づけば朝まで仰向けで寝ていることが増えました。横を向いた時も肩への負担が少なく、眠るのが毎日楽しみです。
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを、できるだけそのままお伝えしております。
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私の枕外来には、朝から肩がこる・枕が合わない・何度も目が覚めるという患者様が多く来院します。好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、体格によって適合する高さが違います。
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