物を持つときに親指が痛いのは橈骨神経障害(とうこつしんけいしょうがい)かも?

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
目次
手の痛みという患者様、原因がどこにあるのか探ります

最近、右手の親指が痛いというMさんが来院されました。「物を持つと痛い。枕が合っていないのでしょうか?」というご相談です。
親指の痛みと聞くと、多くの方は「腱鞘炎」や「関節の炎症」を思い浮かべるかもしれません。しかし整形外科では、まず痛みの原因がどこにあるのかを丁寧に確認します。
関節なのか、腱なのか、それとも神経なのか。IP関節、MP関節、CM関節を押しても痛みはありません。

腫れや熱感もありません。手のひら側の腱鞘も問題ありません。

朝に指が引っかかることもありません。ではなぜ痛いのでしょうか。
手の痛みの原因が関節でも腱でもない場合に次に疑うこと

重たいペットボトルを持ってもらうと、時間が経つにつれて痛みが出てきます。さらに腕にも違和感が出てきます。
この「負荷をかけたときに痛む」という特徴は、神経の可能性を疑うポイントです。
親指と人差し指の間、腕、肘の近く、そして首。圧痛点を押すと右側だけが強く痛みます。左側は問題ありません。これは首から出ている橈骨神経の障害が疑われる状態です。
首から出ている神経、橈骨神経の障害とは
橈骨神経は首から腕、親指側へと伸びる神経です。首に障害があると、その先にある腕や親指に痛みや違和感が出ることがあります。
つまり、痛い場所が原因とは限らないのです。Mさんの場合も、右側の首がやられており、そこから伸びる橈骨神経に影響が出ている可能性がありました。
枕で首と肩に負担がかかっている!?

詳しく伺うと、枕の沈み込みが気になるとのこと。高さ7cmで使用していましたが、右側だけが2〜3mm低くなっていました。さらに2Lのペットボトルを乗せると、6.5cmまで下がります。
つまり、右向きに寝たときだけ頭が沈み込み、首と肩に負担がかかっている状態でした。朝の肩こり、そして日中の神経痛として表面化していたのです。
枕のへたりが神経を圧迫する理由
寝ている時間は人生の約3分の1。その間、首の角度が崩れていれば神経は圧迫され続けます。特に横向き寝で片側だけ沈み込むと、神経の出口である首にストレスが集中します。
枕のへたりは単なる「寝心地の問題」ではなく、神経に影響を及ぼす可能性があるのです。
枕調整で神経をリセットする
今回は中の素材を交換し、右側の沈み込みを改善しました。しっかり支えが出ることで、首の角度が整います。首の神経が回復すれば、朝の肩の違和感や日中の親指の痛みは改善する可能性があります。
物を持つと親指が痛い。それは手の問題ではなく、首から来る橈骨神経障害かもしれません。もし同じような症状で悩んでいるなら、手だけでなく首、そして枕を見直してみることをおすすめします。
ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善
山田朱織枕研究所では、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕「整形外科枕」を提供しています。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士。治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
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