全身がつる・体のあちこちがつる原因と病気|4つの夜間対策を整形外科医が解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
この記事でわかること
- 全身・体のあちこちがつる場合は内科疾患が原因の可能性がある
- 糖尿病・血管系・甲状腺・神経筋肉系の4分類と代表的な病名
- 希少疾患「里吉病(全身こむら返り病)」の症状と早期発見の重要性
- 今夜からできる4つの夜間対策(入浴体操・水分補給・湿布・枕)
目次
内科の病気と足のつりとの関係
今回は足のつり「内科の病気編」についてお話しします。
もし全身がつる、体のあちこちがつる——首や肩や背中や手など体の色んなところがつる場合、患部だけでなく背景に内科の病気が隠れている可能性があります。
夜間のつりの背景には内科疾患だけでなく、「寝ている間の姿勢」や「寝返りのしやすさ」が大きく関わっていることをご存知でしょうか?
また全身のこむら返り病「里吉病(さとよしびょう)」というやや特殊な病気もありますので、最後にお話しします。
今回は出沢明PEDクリニック院長・出沢明先生のご著書の中から抜粋してご説明します。詳しく知りたい方はご著書をご覧ください。
■もう怖くない!筋肉のつりこむらがえり――痛みの原因と対処法を徹底解説 出沢明【著】
足のつり、内科の病気4つの分類
内科の病気は大きく以下の4つに分類できます。
| 原因の分類 | 具体的な病名の例 |
|---|---|
| 代謝系が原因で足がつっている | 糖尿病、腎臓や肝臓の機能障害 |
| 血管系が原因で足がつっている | 脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、心臓・脳の病気 |
| 甲状腺系(ホルモン)が原因で足がつっている | 甲状腺機能低下症 |
| 神経筋肉系が原因で足がつっている | 筋ジストロフィー、多発性神経症 |
これらの病気の診断が最初の一歩です。「足のつり」と聞くとすぐ整形外科を思い浮かべるかもしれませんが、体のあちこちがつる場合はまずお近くの一般内科にご相談ください。そちらで検査をして病気が見つかれば、専門病院を紹介してもらえます。
【専門医からのアドバイス】
内科での適切な治療と並行して「つりにくい睡眠環境」を整えることが症状緩和への最短ルートです。内科疾患による血流不足を、スムーズな寝返りで補うことができるからです。
全身こむら返り病「里吉病(さとよしびょう)」の可能性
里吉病は、1960年代に里吉先生が発見し学会に報告した病気です。小児期(6〜15歳ごろ)に発症することが多く、日本のみならずアメリカ・イギリス・ロシア・中国でも患者が確認されています。免疫病ではないかと考えられています。
症状としては「つり」だけでなく、脱毛・下痢・女性では無月経といったホルモンへの影響、最終的には身長があまり伸びないといった影響も出ます。
足のつりについては、1日に何十回〜100回も繰り返しつることがあります。最初は足がつるだけと思っていても、腹筋・背筋、さらに咬筋や側頭筋など全身へと進行します。重症化すると死に至ることもある怖い病気です。
頻度は少ない病気ですが、部分的なつりではなく全身のつりが頻繁に起きておかしいと感じたら、まず一般内科へご相談ください。
今夜からできる4つの足のつり対策
夜寝ている間につると、目が覚めて眠れなくなったり、痛みが怖くて眠れなかったりと本当につらいと思います。ぐっすり眠れるよう、4つの夜間対策をお伝えします。
1.入浴中に体操をしましょう
夜はシャワーではなくしっかり湯船に浸かって温まり、手や足などの筋肉を温めてよく動かしましょう。血流が良くなった筋肉は緊張がほぐれます。湯船の中で30回程度、色々な筋肉を動かしてストレッチしてください。
2.水分補給をしましょう
「夜中にトイレに行きたくない」と水分を控える方もいますが、水分不足は夜間や明け方のつりにつながります。トイレに1回起きてもいいので、しっかり水分を摂ることが大事です。
ただし、腎臓が悪く医師から水分制限を指示されている方は、必ず担当医に相談してください。
3.湿布を貼りましょう
普段よくつる場所(腕・胸・お尻・ふくらはぎなど)に、予防的に寝る前に湿布を貼っておくことは有効です。ぜひ試してみてください。
4.枕の高さ調節をしましょう
枕の高さをしっかり整えると、寝返りが左右にコロコロとスムーズに打てるようになります。寝返りをするとき、足も自然によく動きます。
寝ている間じっと固まるのではなく、リラックスして左右に動けると各所の血流が良くなり、筋肉の緊張もほぐれます。内科的な要因による血流不足を、適切な睡眠姿勢で補う効果が期待できます。
今日は全身的な筋肉のつりの原因が内科の病気にもあるというお話をしました。そして頻度は少ないけれど怖い病気、里吉病についてもお話しました。早め早めの対処のためにぜひ知識として持っておいてください。
「夜中のつり」不安を安心に変えるために
内科的な要因が背景にある場合でも、「睡眠中の血流を止めないこと」は共通して重要な対策です。体に合わない枕で寝返りがスムーズに打てないと、筋肉の緊張が続き、つりの引き金となります。
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よくあるご質問
Q1全身がつる・体のあちこちがつる場合、まず何科を受診すればよいですか?
A:まずお近くの一般内科を受診してください。検査で病気が見つかれば専門病院を紹介してもらえます。足のつりと聞くと整形外科を連想しがちですが、全身や体のあちこちがつる場合は内科疾患が原因のことがあります。
Q2里吉病(全身こむら返り病)はどんな症状ですか?
A:主に小児期(6〜15歳)に発症し、1日に何十回〜100回もつりが起こります。足から全身へと進行し、脱毛・下痢・無月経・身長への影響も見られます。頻度は少ない病気ですが、全身のつりが頻繁に起きる場合はまず内科を受診してください。
Q3夜中に足がつらないための具体的な対策を教えてください
A:①入浴中に関節・筋肉をよく動かす体操(30回程度)、②寝る前のコップ1杯の水分補給(腎臓に病気のある方は医師に相談)、③よくつる場所への予防的な湿布、④枕の高さを整えてスムーズな寝返りを促す、の4つが有効です。
Q4糖尿病があります。足のつりとの関係はありますか?
A:あります。糖尿病は代謝系の疾患であり、ミネラルバランスの乱れや血流障害、さらに神経障害を招くことで足のつりが起こりやすくなります。かかりつけ医の治療と並行して、水分補給・保温・睡眠環境の改善を取り入れてください。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
本コラムの内容は動画でもお話ししています▼
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