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【放置厳禁】首の神経痛と何が違う?帯状疱疹の神経痛

【放置厳禁】首の神経痛と何が違う?帯状疱疹の神経痛

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が、自身の体験をもとに解説します。

この記事のポイント
  • 帯状疱疹は湿疹が出る2〜3日前から「刺すような痛み」が始まる前駆症状がある。
  • 首の神経痛や寝違えと混同しやすく、専門医でも見逃すことがある。
  • 発症から48〜72時間以内の抗ウイルス薬投与が、後遺症を防ぐ鍵。
  • 湿疹が治った後の「神経痛」は冷やさず温めることが重要。

目次


【体験談】整形外科医の私が帯状疱疹になって痛感したこと

今回は私、山田朱織が、実際に帯状疱疹になってしまった体験についてお話ししたいと思います。正直に言うと、辛くて、痛くて、苦しくて、「ああ、本当に年を取ったな」と痛感しました。

発症の2日前、8月の末のことでした。「なんだか左腕がおかしいな」という、はっきりしない違和感を覚えました。痛みとしびれがあり、整形外科医としては尺骨神経領域の症状に見えました。ただ、時間が経っても痛みが取れません。スーッと針で刺されるような痛みが続くのです。

首に負担をかけた覚えもなく、怪我をしたわけでもない。変な姿勢を取った記憶もありませんし、枕もきちんと合っている状態でした。それでも症状が出る理由がわからず、不思議で仕方がありませんでした。今どき便利なチャットGPTにも相談してみましたが、返ってくる答えは想定内の内容で、どこか腑に落ちないまま、この状態が2日間続きました。

治療中は、骨折の際などにも使われる三角巾をつけて生活していました。腕を安全に保つための補助的な処置ですが、これには本当に助けられました。実はその状態で、1週間ほど診療も行っていたのです。

帯状疱疹とは?首の神経痛との違いのヒント

帯状疱疹は、水ぼうそうウイルス(ヘルペスウイルス)が原因で起こり、発症すると神経に沿って帯状に湿疹が出るのが特徴です。

子どもの頃の水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスが神経の中に“冬眠状態”で残り、疲労やストレスなど体が弱っているときに再び活動して症状を出す、というのが帯状疱疹です。近年、帯状疱疹は多くなってきていると感じます。その背景には高齢化があり、80歳以上では3人に1人が帯状疱疹になるというデータも出ています。

一方で「首の神経痛」と呼ばれるものの中には、末梢神経の痛みとして説明されるケースがあり、原因として感染症(ヘルペス)が関与して神経痛が起こることもあるのです。つまり、首やその周辺の神経痛っぽい痛みでも、背景に“ウイルスが神経を刺激している”帯状疱疹が隠れていることがある、というのが見分けの重要なヒントになります。

湿疹の前に出る「痛み・しびれ」の前駆症状

帯状疱疹は、いきなり湿疹から始まるとは限りません。ひどい湿疹が出る前に、神経に沿った領域に痛みやしびれを感じる「前駆症状」が出ることがあります。

私の場合は、まず痛みやしびれがあり、2日経ったときの朝、起きてみると尺骨神経の周りにぶわっと赤い湿疹が一気に出ていました。小指と薬指から肘の内側を通って脇ぐらいまで、神経に沿って水ぶくれのようになり、痒い・痛いという状態でした。潰すと水が出るため、ガーゼで保護していました。

患者さんには「痛みが出てから2日ほどで湿疹が出ることがありますよ」と説明しているのに、自分のことになると、その視点がすっかり抜け落ちていたのです。「神経に沿って出る痛み」だけの段階だと、首の神経痛や寝違えなどと混同しやすいので、あとから湿疹が出て“帯状疱疹だった”と気づくこともあり得ます。

帯状疱疹の湿疹の様子

人にうつる?気をつけたい場面

帯状疱疹自体は「普通はうつらなくて特に大人は心配しなくていい」とされていますが、水ぼうそうワクチン未接種の方や、水ぼうそうにかかったことのない幼児が、水ぶくれの中の液に直接触れると感染する可能性があります。

妊婦さん、体力が弱っている方、免疫が落ちている全身疾患のある方なども感染しやすいので、「潰れた水を触ることは極力避ける」ことが大切です。


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発症したら48〜72時間以内が大事(治療薬について)

帯状疱疹は、発症したら早めに治療を開始することが重要です。できれば48時間以内、遅くても72時間以内に治療開始が大事で、遅れると後遺症のリスクが高まるとされています。

発症が日曜日であっても、症状が残る可能性があるため、日曜診療をしている皮膚科を探して受診することをお勧めします。治療の中心は抗ヘルペスウイルス薬で、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナリーフなどがあります。現在は「アメナリーフ」という1日1回の薬に進化しており、私もこれを処方されました。

また、抗ウイルス薬を飲んでも痛みがすぐ取れるわけではなく、効果が出るのは2〜3日経ってからと言われています。その間のつらさを抑えるために、ロキソニン、ボルタレン、リリカ、メチコバールなどの「痛みを抑える薬」を併用することがあります。

湿疹が治っても続く神経痛と「冷え」への対処

湿疹が消えても、痛みは終わりませんでした。今度はジンジンとうずくような神経痛です。夜中の3時や4時に痛みで目が覚め、寝不足が続きました。眠れないと、痛みに対して敏感になり、精神的にも非常につらい状態になります。この状態が、発症から3〜4週間ほど続きました。

さらに湿疹が出てから1か月ほど経ったころ、季節が変わり気温が下がってくると、冷えると痛みが強くなることに気づきました。神経痛はとにかく温めることが大切です。私はアームウォーマーを使ったり、ホカロンで温めたりといったケアを、今も続けています。

若い方は短期間で良くなることが多い一方で、中高齢者は長引きやすいと言われ、半年〜1年、場合によってはそれ以上続くこともあります。神経痛があまりに長引くときは、ペインクリニックで注射や点滴を受けたり、メンタルをコントロールする薬を使うことも検討してください。「我慢するしかない」ではなく、治療の選択肢があることを知っておくのは、いざという時の支えになります。

アームウォーマーでの冷え対策

予防としてのワクチン

帯状疱疹が落ち着いたら、予防のためのワクチン接種を検討します。ワクチンは2種類(生ワクチン:1回/シングリックス:2回)とされ、どちらを選ぶかは皮膚科や内科の先生と相談して検討します。

体の状態や免疫が落ちている方は生ワクチンを打てない場合もあります。50歳以上の方は、罹患した後の辛さを防ぐためにも、一つの予防策として重要です。

まとめ

帯状疱疹は、湿疹の前に「神経に沿った痛み・しびれ」が出ることがあり、首の神経痛と混同しやすい病気です。今回、帯状疱疹になって皆さんに一番お伝えしたいのは、「おかしいな」と思ったら、なるべく早く診察を受け、治療を開始することです。

その後の症状がいつまで続くかは、正直なところ誰にもわかりません。冷やさないように気をつけながら、焦らず、様子を見ていきましょう。これは、整形外科医としてではなく、一人の患者として実感した、率直な本音です。


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  • 診察をしている山田朱織

    監修:山田朱織(やまだしゅおり)

    16号整形外科院長 医学博士。治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、睡眠姿勢や枕の研究を行っております。自身の体験も踏まえ、患者様に寄り添った情報発信を心がけています。


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