コラム詳細

肩の痛みの原因を整形外科医が解説|肩以外の病気(内臓・神経)が隠れている場合も

肩のトラブル解説!整形外科医が教える原因!肩以外病気が原因の可能性も?

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

今回は"肩のトラブル"についてお話します。実は肩のトラブルについては奥が深いんです。

整形外科でかれこれ30年やってきている私でも、これは何だろう?整形外科の病気ではないんではないか?と思うことがあります。

目次

あわせて読みたいコラム

四十肩・五十肩?これができるなら肩が原因ではない
四十肩・五十肩?これができるなら肩が原因ではない

特定の動作チェックで「肩関節か首の神経か」を判別。あなたの痛みの正体を探ります。

肩の痛みは枕で改善、有効な治療法を解説
朝から肩が痛い方へ|枕で改善できる肩の痛み・治療法を整形外科医が解説

整形外科で原因が確認できたら、枕を見直すことで夜間の回復をサポートできます。

横向きで寝ると肩が痛い・しびれる原因
横向きで寝ると肩が痛い・しびれる原因|首か肩関節か5つのチェックで判別

夜間・横向き寝での肩の痛みに悩む方へ。整形外科的な5つのチェックで原因を特定します。

肩の痛みの原因は肩関節だけではない——見落とされがちな3つの原因

「肩が痛い」と来院される方の中には、実は肩関節そのものが原因ではないケースが含まれます。

整形外科の現場でも、場所や痛み方、時間帯によっては「他科疾患」を疑うことが少なくありません。

私が診察した患者様の中で20数年前、鎖骨の上あたり(肺の頂部近く)の痛みとしびれで来院した方が、最終的に肺がん(パンコースト腫瘍)と診断された例がございました。

肩という言葉の範囲は広く、首〜肩甲部、鎖骨周辺、胸部に及ぶこともあるため、思い込みを捨てて丁寧に確認する姿勢が重要です。

見落とされがちな原因は大きく3つあります。

  • 首の神経(頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア)——首から出た神経が肩甲部・腕・手先まで痛みやしびれを引き起こします
  • 内臓疾患(心臓・胆のう・肺など)——関連痛として肩周囲に症状が出ることがあります
  • 肩関節以外の整形外科疾患——腱板損傷・石灰沈着性腱炎・関節リウマチなど



「肩の痛み=肩関節の病気」とは限らない——内臓・神経疾患が隠れているケース

肩の痛みの原因は肩関節だけではない——内臓・神経疾患が隠れているケース

肩周囲の痛みは、五十肩や石灰沈着性腱板炎、変形性肩関節症、頚椎症、関節リウマチなど整形外科領域が多い一方、心筋梗塞、胆のう炎・胆石、膵炎、パーキンソン病、さらには肺がん(パンコースト腫瘍)など、内臓・神経の疾患でも生じます。

だからこそ、「痛みの場所」「出方」「増悪する動作」「安静時の痛みの有無」など、症状の文脈を医療者と共有することが早期発見につながります



整形外科か内科か?受診科を判断する6つのチェックポイント

整形外科か内科・他科かを判断するうえで、次の6点が目安になります。


チェック①:痛む部位はどこか——首・肩甲部・鎖骨・胸部まで広く確認する

「肩が痛い」と感じていても、実際には首筋・肩甲骨周囲・鎖骨の上・胸部など、広い範囲に痛みが出ていることがあります。痛む場所を正確に把握することが、原因の特定に直結します。

チェック②:局所に炎症サイン(発赤・腫れ・熱感・左右差)はあるか

患部が赤くなっている、腫れている、触れると熱い、明らかに左右で形が違うといった所見がある場合は、局所の炎症や感染、腫瘍性病変を疑います。これらは整形外科・皮膚科・外科での評価が必要です。

チェック③:動かすと痛いか、じっとしていても痛いか——安静時痛は内臓疾患のサイン

肩を動かしたときだけ痛む場合は整形外科疾患(肩関節・頚椎)の頻度が高い一方、何もしていないのにズキズキ・じくじく痛む「安静時痛」は内臓疾患の関連痛を疑うサインです。夜間に限らず、安静にしていても痛みが続く場合は早めの受診を。

チェック④:持病・既往歴・家族歴——診断の大きなヒントになる

心臓病・糖尿病・リウマチ・がんの既往歴や家族歴は、肩の痛みの原因を絞り込む重要な手がかりです。受診時に必ず伝えるようにしましょう。

チェック⑤:症状の経過——突然か、じわじわか、出たり消えたりするか

肩関節の病気は比較的ゆっくり進行することが多いですが、突然の激しい痛み(特に胸・左肩への放散痛)は心筋梗塞を疑う緊急サインです。症状が急激に悪化する場合は、ためらわず救急を受診してください。また、特定の姿勢や動作でのみ痛む場合は頚椎・肩関節由来の可能性が高まります。

チェック⑥:画像・血液検査——X線・MRI・血液検査で原因を特定する

整形外科ではX線(レントゲン)・MRI・超音波検査が、内科的疾患の鑑別では血液検査・心電図・CT検査などが用いられます。自己判断が難しい場合はまず整形外科を受診すれば、必要に応じて適切な科への紹介が行われます。



整形外科で多い肩の病気・他科で多い肩の痛みの原因一覧

整形外科で診る肩の痛みの原因

五十肩(肩関節周囲炎)、石灰沈着性腱板炎、腱板損傷・腱板断裂、変形性肩関節症、頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア、関節リウマチ、胸郭出口症候群など

他科で診る肩の痛みの原因(関連痛・神経症状)

心筋梗塞・狭心症(心臓内科・外科)、胆のう炎・胆石・膵炎(消化器内科・外科)、パーキンソン病(神経内科)、肺がん・パンコースト腫瘍(呼吸器科・胸部外科)など


自己判断が難しい場合は、遠回りに見えても「まず整形外科」を受診することで問題ありません。整形外科医が全身を見渡したうえで、必要な科への橋渡しを行います。


肩の痛みで整形外科を受診する前に準備しておくこと

受診をより実りあるものにするために、以下を事前に整理しておくと診察がスムーズです。

  • 痛む場所を指で指せるようにしておく——「なんとなく肩が痛い」より「この辺が特に痛い」と具体的に示せると診断の精度が上がります
  • いつから・どんなきっかけで痛くなったか——転倒・重いものを持った・急に動かした、など
  • 夜間や安静時にも痛むかどうか——睡眠への影響も含めて伝えましょう
  • 内科的な既往歴・持病・服薬中の薬——整形外科疾患以外の可能性を排除するために重要

痛みの由来が肩関節や頚椎など運動器にある場合は、適切な保存療法やリハビリ、必要に応じた処置へと進みます。他方、内科・外科疾患の兆候があれば、その場で然るべき専門科への紹介が行われます。



肩・首の痛みと睡眠姿勢・枕の関係——夜間痛を減らすための基本

肩・頚部の痛みをお持ちの方の多くが「夜間の痛みが強い」「寝返りがつらい」という睡眠への影響を訴えます。実は、睡眠中の姿勢と枕の高さ・硬さは、肩・首への負担に直接影響します。

夜間の肩の痛みを悪化させる枕の特徴

柔らかすぎる枕は頭が深く沈み込み、首が曲がった不自然な姿勢が続きます。これにより首から出た神経が圧迫され、肩甲部・腕への痛みやしびれが悪化しやすくなります。また、横向きで寝た際に肩が枕の高さ分だけ支えられず、肩関節に直接圧迫がかかることも原因になります。

整形外科医が推奨する枕選びの基本条件

山田朱織枕研究所では、頚椎の神経出口の確保に配慮しながら、上向きは約15度前後の前傾、横向きでは顔面〜胸の中心が寝具面と平行になる高さを、5mm刻みで合わせるSSS法(Set-up for Spinal Sleep)に基づいて枕を計測・調整します。計測データに立脚した調整を行い、適切な当て方(首の付け根にしっかり当て、頭と首を十分に預ける)も重視しています。

症状の本態が整形外科由来であれば、枕を適切に調整することで睡眠中の負担を大幅に軽減できます。


まとめ:肩の痛みは「肩だけの問題」と決めつけないことが大切

肩の痛みは多彩な原因から生じます。整形外科疾患(五十肩・頚椎症など)が多数を占めますが、内臓疾患や神経系の病気が隠れているケースもあります。

  • 安静時にも痛む、突然の激しい痛みは内臓疾患のサインの可能性あり
  • 動作時のみ痛む、首を動かすと悪化するなら頚椎・肩関節由来を疑う
  • 自己判断が難しい場合は、まず整形外科で評価を受けることが最も効率的
  • 原因がわかったら、睡眠中の姿勢・枕の高さも合わせて見直すことで回復をサポートできる

必要に応じて他科と連携し、原因に応じた治療を迅速に開始する——それが回復への近道です。



ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

  • 整形外科枕計測

    「枕外来のオーダー枕」

    私の枕外来には,朝から肩がこる,枕が合わない,何度も目が覚める
    という患者様が沢山来院します。
    好みで枕を選んでいませんか?首を休めるための枕は、
    体格によって適合する高さが違います。

    今すぐ計測予約する
  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。


本コラムの内容は動画でもお話ししています▼


YouTubeのチャンネル登録で最新情報をお届けします!