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低反発マットレスのデメリットとは?高反発・コイルとの違いを整形外科医が比較解説

低反発マットレスのデメリットとは?高反発・コイルとの違いを整形外科医が比較解説

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

オーダーメイド枕・整形外科枕

「低反発マットレスを使ってから調子が良くなったのですが、使い続けていいですか?」という質問を外来でよくいただきます。整形外科医の立場では、全層がウレタン素材のマットレスはあまりおすすめしません。その理由を、低反発・高反発の違いから体への影響まで詳しく解説します。

目次



低反発マットレスの最大のデメリット:腰が沈み込む

低反発マットレスで腰が沈み込むデメリット

ウレタン系マットレスをおすすめしない最大の理由は、睡眠時間が長ければ長いほど、体——とくに最も重い腰の部分——がぐっと沈み込んでいくからです。

寝た直後は「気持ちいい」と感じます。しかし時間が経つにつれて腰が沈み込み、背骨がくの字に曲がった状態が続きます。この状態が6〜8時間続くと、腰椎・大腰筋への負担が蓄積されます。また、腰が沈み込むと枕との位置関係も変わり、どんなに枕を合わせても「枕が高すぎる状態」になってしまいます。

低反発・高反発(高弾性)ウレタンの違いとは

低反発と高反発(高弾性)ウレタンの違い

「低反発」と「高反発(高弾性)」は同じウレタン素材でも特性が異なります。

低反発(低反発弾性フォーム)とは、弾む力を抑えて「粘り」を高めたウレタンフォームです。一般フォームに比べて粘性を15%以下にしたものを指します。ゆっくり体の形に沈み込み、そのままの形を保つ「粘弾性」が特徴です。

高反発(高弾性フォーム)には業界で統一された明確な定義がなく、粘性10%以上のものをそう呼ぶことが多いようです。低反発より沈み込みは少なく、押すと素早く元に戻る弾力があります。

低反発・高反発・コイルスプリング 3つの特性比較

特性 低反発ウレタン 高反発ウレタン コイルスプリング
腰の沈み込み 大きく沈む やや沈む 適切に支える
寝返りのしやすさ 非常に重い 体格による 軽くスムーズ
寝た瞬間の感触 柔らかく気持ちいい 程よい弾力感 しっかりした支持感
長時間後の変化 沈み込みが増す やや沈み込む ほぼ変わらない
通気性 低い(蒸れやすい) やや低い 高い
耐久性 へたりやすい やや劣化する コイル自体は長持ち
整形外科的評価 非推奨 体格確認が必要 硬さ次第で推奨

「コイルとウレタンどっちがいい?」という質問には、整形外科の観点ではコイルスプリングが基本の選択肢と答えています。ただしコイルも硬すぎると背中が反ってしまうため、適切な硬さで選ぶことが前提です。

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実演:低反発マットレスに寝ると何が起きるか

低反発マットレスに寝るとお尻・腰が沈む実演

実際に低反発マットレスに座ると、お尻に体重が集中してぐっと沈み込みます。座った姿勢で本を読んだりテレビを見ることは特に避けてください。腰にかかる負担が非常に大きくなります。

仰向けで寝た直後は「気持ちいい」と感じます。しかし時間が経つにつれて——

低反発マットレスに寝て時間が経つと腰が沈み込む

腰がどんどん沈み込んでいきます。この状態から寝返りを打とうとすると——

低反発マットレスで寝返りが打ちにくい状態

「力が入って動きにくい」「沼にはまったようで抜け出せない」——実際に試した方からはそのような感想をよくいただきます。最も重い腰がウレタンに沈み込んでしまうと、仰向けから横向き、横向きから仰向けへの寝返りが著しく困難になります。

寝返りできない睡眠が体に悪い理由

「一晩中仰向けのままでも低反発マットレスなら眠れる」という広告を見かけることがありますが、整形外科の立場からはこれはむしろ問題です。

人間は本来、一晩中同じ姿勢でじっとしているようには設計されていません。寝返りには3つの重要な役割があります。

  • 姿勢のリセット:骨や椎間板への一方向の圧力を解放し、背骨の並びを整える
  • 体液循環:長時間同じ部位に体重がかかり続けることによる血行不良を防ぐ
  • 体温調節:接触面の熱と湿気を逃がし、深部体温を適切に保つ

低反発マットレスでこれらの寝返りが妨げられると、起床時の腰痛・肩こり・疲労感が慢性化する原因になります。

  • 寝返りを打つ理由と効果、3つの役割を解説

    「寝返りを打つ理由」

    寝ている時に寝返りにより動くことで
    骨や椎間板の組織が元の状態に
    リセットされて背骨の並びが良くなる。
    寝返りの役割の一つは
    姿勢のリセットです。
    寝返りには3つの役割、
    「体液循環」「体温調節」
    そして「姿勢のリセット」があります。

    3つの役割を解説

低反発マットレスが向いているケース・向いていないケース

状況・条件 理由
向いていない 腰痛・肩こりがある方 腰の沈み込みが症状を悪化させる
向いていない 体重が重い方・体格が大きい方 荷重が大きいほど沈み込みが深くなり寝返りがより困難に
向いていない 全層ウレタンを長期間(毎晩)使用 蒸れ・へたりが進み、寝返り妨害が慢性化する
条件付きで可 高反発(高弾性)ウレタンを使用する場合 低反発より沈み込みは少ないが、必ず実際に寝返りを試して確認すること
条件付きで可 コイルの上のトッパー(薄手)として使う コイルが土台として沈み込みを防ぐ。ただし厚手のトッパーは不可

高反発(高弾性)ウレタンについては、低反発より沈み込みが少ない点では改善されていますが、体格・体重によっては寝返りが打ちにくいケースがあります。購入前に必ず実際に横になり、寝返りを打って確認することをお勧めします。

よくある質問(FAQ)— 低反発・高反発マットレスの疑問

Q 低反発と高反発、どっちがいいですか?

A

整形外科の立場では、どちらのウレタン素材も腰の沈み込みと寝返り妨害の問題があるため、コイルスプリングを基本に選ぶことをお勧めします。ウレタン同士で比べるなら高反発のほうが沈み込みが少ない分、低反発よりは良い選択です。ただし高反発も体格次第では寝返りが打ちにくくなるため、必ず実際に寝て確認してください。

Q 低反発マットレスは体に悪いですか?

A

短時間の使用ではすぐに悪影響が出るわけではありませんが、毎晩の長時間使用は腰の沈み込みと寝返り妨害によって腰痛・肩こりを悪化させるリスクがあります。「寝た瞬間に気持ちいい」という主観的な感覚と「体にかかる客観的な負担」は別です。腰痛・肩こりがある方は特に注意が必要です。

Q 低反発マットレスを使うと腰痛になりますか?

A

腰が沈み込んだ状態が毎晩続くと、大腰筋や腰椎への負担が蓄積し、腰痛を発症・悪化させる可能性があります。また寝返りが打てないと体液循環が悪くなり、翌朝の腰の重さや張りにつながることがあります。腰痛持ちの方には低反発マットレスはおすすめできません。

Q マットレスはコイルとウレタン、どっちがいいですか?

A

体の支持と寝返りのしやすさの観点ではコイルスプリングが優れています。適切な硬さのコイルは腰を沈ませず、スムーズな寝返りを促します。ウレタンは素材の特性上、どうしても体が沈み込む傾向があります。ただしコイルも硬すぎると骨盤が持ち上がって背中が反るため、適切な硬さの選択が前提です。

Q ウレタンマットレスの寿命はどれくらいですか?

A

一般的なウレタンマットレスの寿命は5〜8年程度で、コイルスプリングマットレスより短い傾向があります。毎晩同じ場所に体重がかかるため、使用部分だけへたりが早く進みます。低反発素材は特にへたりやすく、3〜5年で沈み込みが目立つことがあります。定期的に天地替えをすることで多少は延命できますが、コイルマットレスに比べて耐久性は低いです。

Q 今すでに低反発マットレスを使っています。すぐ買い替えが必要ですか?

A

現在、腰痛・肩こり・朝の疲れが続いているのであれば、早めの見直しをお勧めします。体の不調がない場合でも、使用5年を超えたものは素材のへたりが進んでいる可能性が高いです。すぐに買い替えが難しい場合は、薄手の硬めコイルトッパーを敷くことで多少の改善が見込めますが、根本的な解決は買い替えです。

ドクター考案の『枕』『マットレス』による症状の改善

山田朱織枕研究所ではオーダーメイドの整形外科枕やオーダーメイドのマットレス「MAKURAinBED」という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的とした商品を提供しています。これらの商品は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。

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