コラム詳細

韓国の整形外科医が枕の研修に来院―日韓共通の枕の悩みと、肩こり・腰痛が改善した実証レポート

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

山田朱織って誰?

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「枕が合わない」「何を基準に選べばいいのかわからない」――この悩みは、日本だけのものではありません。

整形外科医の本音シリーズ「世界の枕について知っていますか?」韓国編として、今回は3つのテーマを一気にお届けします。韓国の枕事情を示す研究データ、韓国の整形外科医・リー先生の来院レポート、そして帰国後に患者さんの症状を次々と改善していった驚きの実践記録です。

第1弾はこちら

整形外科医の本音シリーズ~アメリカの枕~

韓国でも「どの枕を選べばいいかわからない」は共通の悩みだった――韓国の枕研究から見えたこと

私が韓国の枕事情に興味を持ったのは、ある論文がきっかけです。人間工学の専門家が2000年に行った研究で、韓国人を対象に6種類の枕を比較したものでした。

韓国人の方々に「どんな枕を使いますか?」「それを使ってどうですか?」と様々な質問を行い、枕の選択状況や使用感を体系的にまとめたものです。調査された6種類の枕は、柔らかい羽毛枕、低反発ウレタン、少し硬いウレタン、人間工学設計枕、木製枕など。

何に驚いたかというと、その6種類の枕が日本の百貨店や枕専門店に並ぶ枕と本当に同じようなものだったことです。韓国も日本も、市場に並ぶ枕の種類はほぼ変わらない。それぞれの枕をどんな事情で選んでいるかを見ていく研究で、大変興味深い内容でした。

この論文を読んでから2〜3年後、私はある韓国人の整形外科医の先生と知り合いになりました。「韓国では枕事情はどうですか?」と聞いてみると、返ってきた答えは――「非常に困っています」。

開業している整形外科には毎日「首が痛い」「肩がこる」という患者さんが来院する。そして皆、「どんな枕を使えばいいのか?」「何を基準に選べばいいのか?」と質問してくるというのです。

これって日本と全く同じですよね。同じような枕が市場に溢れていて、患者さんはどれを選べばいいかわからない。使ってみても合わなくてどうしたらいいんだろうとなってしまう。韓国も日本も、枕をめぐる悩みはまったく変わらないのです。

この韓国の枕事情を踏まえて、私はこれからもっともっと日本のみならず韓国、そして第1弾でお話ししたアメリカなど、色々なところに枕の正しい条件を広めていかなければと思いました。整形外科枕でいうところの枕の高さ・硬さ・表面の平らな構造、この3大条件の枕が正しいのだということを、枕で苦しむ多くの方に届けていきたいと思っています。

枕に衝撃を受けた韓国の整形外科医・リー先生が来院――朝11時から夜9時まで学び続けた一日

その後、実際に当院へ研修に来てくださったのが韓国の整形外科医・リー先生です。

先生は韓国にいるときに、私の著書「枕革命」などの韓国語翻訳版を何冊か読み、さらに日本語版の本も購入して日本語を勉強しながら読んでくださったということです。

先生はもともと痛みに対する治療を色々と研究されています。韓国では患者さんへの注射が圧倒的に多いそうですが、注射だけでなく姿勢を整えたり体のバランスを調整することで全身の痛みを取るアプローチに注力されていました。アロマセラピーと靴のインソールを組み合わせた治療も行っているということがよくわかりました。

当日は朝11時ごろに来院され、夜9時までほぼ休憩なしで、枕外来を見学したり、枕研究所で枕の作製状況を見学したり、私のプレゼンテーションを1時間じっくり聞いてくださいました。さらに先生自身が韓国から日本語で作ったプレゼンテーション資料を持参し、ご自分の治療法を紹介してくださったのです。真剣に患者様と向き合っている素晴らしい先生だと感じました。

そんな方が私たちの枕に興味を持ってくれたことが、とても嬉しかったです。

帰国翌日に10人分の手作り枕、3週間後には25人へ――国境を越えた枕の実践記録

研修では枕の手作り方法もお伝えしました。すると先生は帰国当日、ソウルの空港から自宅へ向かう途中の量販店に立ち寄り、枕の素材を買い集めたそうです。

そして翌日には、自院のクリニックスタッフ約10名に枕の計測を行い、手作り枕を作って差し上げたのです。それも2日間で10人という驚きのスピードです。

その後もどんどん素材を買い足し、患者さんにも試してもらった結果、肩こりが改善した、腰痛が楽になった、という報告がLINEで日本語と韓国語を交えながら日々届くようになりました。

さらに印象的だったのは、肋骨骨折などの首とは一見関係のない部位の痛みにも対応していたこと。就寝時に患部への負担を減らすよう枕を調節すると楽になりますよとメールでお伝えすると、なんと先生はすぐに試してみるのです。

また、先生が手作り枕を患者さんに提供した後、先生自ら患者さんに電話をかけて経過を確認されているということ。これは中々できることではありません。患者さん一人ひとりへの誠実なフォローに、先生の真摯な姿勢が表れていると感じました。

そして訪問から3週間ほど経った頃、韓国のダイソーで枕素材を買い込み、なんと25名の患者さんに手作り枕を作って差し上げたそうです。これもまた素晴らしい効果が出ているということで、先生の枕愛と実践は留まるところを知りません。

「枕で治す」という考えは、国境を越えて通じる

この体験を通じて、私が改めて確信したことがあります。国籍・人種・体格の違いがあっても、枕の必要性は人間誰しも変わらないということです。

東西を問わず国境を超えて、枕に対する情熱や「枕で治療する」という考え方が伝わったことが、とても嬉しく、患者さんにとっても大きな朗報ではないかと思っています。

整形外科的に正しい枕の条件は、高さ・硬さ・平らな表面構造の3つ。この3大条件を満たす枕が、首・肩・腰の痛みを和らげる土台になります。日本で生まれたこの枕理論を、これからも世界の医師・患者さんと交流しながら広めていきたいと考えています。

リー先生、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。

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