寝る時の肘の痛みはテニス肘?原因の見分け方・3つのテストと対処法を整形外科医が解説
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。
目次
肘の痛みは「肘」だけの問題とは限らない

「肘が痛い」と感じたとき、多くの方は肘関節そのものに原因があると思いがちです。
しかし整形外科の診察現場では、肘ではなく腕全体の痛みの中で、特に肘がつらいと表現されているケースが少なくありません。
肘の痛みは、関節・筋肉・腱・神経など、さまざまな要因が関係しており、原因を正しく見極めることが重要です。
肘とはどこのこと?意外と知らない肘の構造

一般的に肘というと、腕を曲げたときに尖って見える部分を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし医学的には、その部分は「肘頭」と呼ばれる肘の骨の一部に過ぎません。
肘とは、腕を曲げ伸ばししたり、手をひねったりする動きを可能にする関節のことを指します。
肘関節は、上腕骨・橈骨・尺骨という3本の骨で構成されており、この構造によって複雑な動きが可能になっています。
肘関節そのものが原因かを見極める視点

診察ではまず、肘関節を実際に動かして確認します。
曲げ伸ばしの途中で痛みがなく、可動域も問題ない場合、肘関節そのものが原因ではない可能性が高くなります。
次に、痛みが外側か内側か、安静にしていても痛むのかを確認します。
「じっとしていてもズキズキ痛む」「何もしなくても違和感が出る」場合は、別の原因を疑う必要があります。
肘関節の代表的な病気
肘関節自体が原因となる代表的な病気には、テニス肘(外側上顆炎)やゴルフ肘(内側上顆炎)があります。
これらは、筋肉が強く収縮した際に骨を引っ張り、炎症が起こることで痛みが出ます。
また、肘の内側を通る尺骨神経が圧迫される肘部管症候群では、小指や薬指のしびれ、手の力が入りにくいといった症状が現れます。詳しくはチネルサインと絞扼性末梢神経障害の解説コラムもご覧ください。
成長期に多い離断性骨軟骨炎や、子どもに起こる肘内障も、肘関節そのものの病気です。
肘が痛いからテニス肘だと決めつけてはいけません
皆さんがテニス肘と思っている病態も非常に似ているんだけどテニス肘ではないことがあるんです。
肘の痛みに対して今日はちょっとマニアックなお話をしたいんですね。
なぜマニアックかというと、私が30年間整形外科医をしてきて、段々だんだん積み重ねてきた経験や知識、ここから一般的ではないちょっと面白い、でも今までにどこに行っても肘が良くならなかった患者様辛い皆さんにとっては朗報となるお話かと思います。

ですので、これまで良くならなかった方はちょっとマニアックなこのお話に耳を傾けてみてください。
肘が痛くて、テニス肘だとおっしゃる患者様の問診を紹介します
山田:今日はどうされましたか?
モデル:右の肘が痛みます。
山田:それは肘をよく使ったときに痛いですか?例えばテニスなどなさいますか?
モデル:テニスはしないんですけどギターをかなり引くのでそれで痛いのかもしれないです。
山田:うーん、ギターを弾いた後やギターの練習中に痛かったりするんですか?
モデル:はい。
山田:あとは何か手を使うような作業が多かったりもしますか?パソコンなどもありますかね?
モデル:パソコン作業も普段しているのでその時に痛みもあります。
山田:もしかしてパソコンに対して肘をちょっと持ち上げて空中でたくさん打つみたいなことはしていませんか?
モデル:その姿勢になっていることもあるかもしれないです。
山田:わかりました。

このように肘を酷使する方、テニスや運動や仕事、ミュージシャンの方であればギターとか楽器とか様々のことで手を使いますよね。
この肘に負担がかかる作業をたくさんするような方であれば確かにテニス肘、医学的に言うと上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)という炎症をきたしやすいんです。
今日はこの上腕骨外側上顆炎と、似ているけれどもちょっと違う首からの神経痛としての肘の痛み、この二つを分けて解説していきたいと思います。

テニス肘かどうかの3つのテストを紹介
では、テニス肘かどうかのテストしてみます。3つのテスト簡単ですのでお家でもできます。
テニス肘の1つ目のテストはタオルや雑巾などをグーッと絞るような動作をしてみてください。
山田:今どこが痛いですか?
モデル:肘が痛いです。
山田:これで肘が痛い場合は、テニス肘の兆候です。
テニス肘の2つ目のテストは、肘を伸ばしていただいて手首をグーッと上に持ち上げてください。手のひらが前に向くようにします。
この状態で私が手をグーっと下にやりますから負けないように力を入れてください。ぐっと力を入れてください。
山田:今どこが痛いですか?
モデル:肘が痛いです。
山田:これで肘が痛い場合も、テニス肘の兆候です。
3つ目のテニス肘のテストは椅子を準備しましょう。椅子を上から持ち上げて、肘をしっかり力を入れて持ってみてください。
山田:どこが痛いですか?
モデル:肘が痛いです。
山田:これで肘が痛い場合も、テニス肘の兆候です。
このように負荷をかけたときに、肘の外側にしっかり筋肉に力を入れるような姿勢で痛くなるのがテニス肘の兆候です。
逆に、このように肘に力を入れなくても痛いとき、これが首からの神経痛である可能性があるんです。

首でテストすることで、首からの神経痛である可能性がある

肘を動かしても痛みがなく、腫れや熱もない場合、首から伸びる神経が関係している可能性があります。
腕の神経は首から始まり、指先までつながっています。首の神経には番号があり、それぞれが支配する腕や指の領域が異なります。
頚椎のトラブルによって神経が刺激されると、その通り道にあたる肘に痛みを感じることがあるのです。
では、この首の神経痛かどうかをモデルさんで確認していきます。首を触ってみます。
山田:どうですか?
モデル:痛いです。
山田:今どこが痛いですか?
モデル:ここが痛いです。
山田:肘に響きますね。
また、首を右斜め後ろに倒してみると、
山田:今どこが痛いですか?
モデル:肘が痛いです。
このように首を右側、後ろ、斜めに倒した時に右の肘に痛みを覚えるとするとこれは神経痛の痛みなんです。
寝ている間の「首のぐらつき」を抑えて、肘を休める
肘を動かしていないのに痛むなら、寝返り時の「首の神経圧迫」が原因かもしれません。
5mm単位で首を安定させる整形外科枕が、神経の通り道を正しく保ちます。
首からの神経痛の肘の痛みの場合の対処法を紹介
ここで神経痛の肘の痛みが確認できたら治療方法を2つ教えします。起きてる時と寝てる時を分けて考えてください。
まず日中起きている時は首枕です。
もし右の肘が痛いとすれば首枕を右側から巻いてください。
右の首筋に当ててしっかりと前を回して後ろにいって顎の下にしっかり入れて留めます。
これによって首がぐらぐらするのを防いでくれます。
特に後ろ斜めに倒すのを防ぐと肘の痛みが楽になる可能性が高いです。

また一方、夜間ですが
山田:夜どんな枕を使っていますか?
モデル:夜はこんな柔らかい枕を使っています。
山田:なんで柔らかい枕を好むんですか?
モデル:柔らかいと感触が気持ちよくて好きなんです。

感触で選んではいけません。肌触りで選んでもいけないんです。
このように柔らかい枕を選んでしまうと、寝ている時に寝返りを打つと頭がぐらぐらぐらぐら揺れます。
頭が揺れると首も一緒にぐらつくので首の神経が圧迫されてしまうんです。
ですので、寝ている時に肘が痛くて目が覚めるこんなことがあるとしたら、それは首の神経を圧迫している可能性が高いと考えてください。
ではどうするかというと、その方に合った高さ、そして表面は平ら、しっかり硬い枕を使いましょう。
上を向いていただいても頭と首が安定します。
横を向いても、寝返りを打っても、まったく首がブレないで体の向きを変えることができますので首の神経を痛めることがありません。

このように肘が痛いなぁと感じる方、特に寝ている時、朝起きた時、または日中でもじっとしてても肘が痛いと感じる方は、単にテニス肘いわゆる上腕骨外側上顆炎ではなく首の神経が悪い可能性があると思ってこれらの方法を試してみてください。
今日は肘の痛みについてお話をしてきました。
動かすときにのみならず、じーっとしていても動作をしていなくても肘が痛いという方、首の神経痛の可能性があります。
日中は首枕、夜はしっかり自分の体に合った枕を使ってこの肘の痛みが1日も早く改善することを祈っています。
朝の肘の痛みと枕の関係
特に「朝起きたときに肘が痛い」という場合、寝ている間の首の姿勢が神経に負担をかけている可能性があります。
首に合わない枕を使っていると、睡眠中に神経が圧迫され、目覚めたときに肘や腕に痛みが出ることがあります。
体に合った正しい枕を使用することで、首の姿勢が整い、神経への負担が軽減され、肘の痛みの改善が期待できます。
肘の痛みが続く場合は、自己判断せず整形外科での診断を検討してください。
どの部分が痛いのか、いつ痛むのか、動かしたときの変化などを正確に伝えることが大切です。
肘の痛みは、肘だけでなく首や神経が関係している場合もあります。その視点を持つことで、枕など生活環境の見直しが役立つケースもあるのです。
その肘の痛み、枕を変えるのが近道かもしれません
「テニス肘だと思っていたのに良くならない」と悩む多くの患者様を救ってきたのは、
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山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。
整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。
寝ている時の首の神経を痛めないためには、枕が適切に合っているかが重要です。
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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
本コラムの内容は動画でもお話しています▼

