コラム詳細

交通事故後の首の痛み・むちうち急性期に最適な寝方と枕の高さを整形外科医が解説

交通事故後の首の痛み・むちうち急性期に最適な寝方と枕を整形外科医が解説

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

山田朱織が診察をしている様子

普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。

事故直後で今すぐ対処法を知りたい方へ

目次



このページは交通事故に遭ったばかりの急性期——まだ日が浅く症状が強い時期——の患者様に向けて、「どんな寝方をすれば痛みが和らぐか」「枕の高さ・硬さはどうすればいいか」を整形外科医が具体的にお伝えします。

むちうちとは何か・症状の種類・治療期間の目安については「むちうち・寝違え・頚椎捻挫の違いと症状・治療期間・枕の対処法」で詳しく解説していますので、そちらも合わせてご参照ください。

交通事故の首のケガ・急性期のむちうちに起こること

今日のモデルさんは交通事故の直後、急性期といってまだ日が浅い時、つまり症状が強い時の患者さんです。

交通事故によって胸鎖乳突筋という首の筋肉が部分的に損傷されたり、骨や軟骨・神経に一時的な強い衝撃が起こることで首周りに炎症が起こっていると、首を少しでも動かすと痛いということが起こります。

山田:今日はどうされましたか?

モデル:最近、交通事故に遭ったんですが昨日の夜首が辛くて全然眠れなかったんです。ついには朝まで座って過ごしました。

山田:横になって寝ることができなくて座って寝てしまったんですか?

モデル:はい。頭を支えないと首がつらいです。

交通事故直後・急性期のむちうちで首が痛くて眠れない状態

【胸鎖乳突筋とは】
耳の後ろから鎖骨にかけて走る、首の両側にある筋肉です。交通事故の衝撃で炎症が起きやすく、この筋肉が痛むと「首を動かすたびに激痛が走る」「頭を支えていないとつらい」という症状が出ます。急性期にこの筋肉を安静に保つことが、回復スピードに直結します。

夜間の安静をとることが何より大事——なぜ今夜の寝方が回復を左右するのか

このようなケースはむちうち、頚椎捻挫がひどい方ではよく見られる傾向なんです。頭を持って首を不用意に動かさないように支えていないと辛いという状況です。

こんな方には1日も早く首を楽に動かせるようにするために適切な枕——患者様の体に合った枕を調節することで夜間の安静をとることが何より大事になります。

寝起きするのも痛いけれど、一旦何とか寝ていただいて枕の調節をすることをお勧めしたいと思います。

この耳の後ろから首筋の筋肉——胸鎖乳突筋——ですが、非常にこれを痛がる方が多いです。

むちうち急性期:夜間の安静と枕の役割

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柔らかい枕だと首が不安定になり痛みが増す

山田:今、柔らかい枕で首が不安定になってしまいますのでちょっと寝返りを打っていただけますか。

モデル:首が痛いです。

このように上向きから横向きに体勢を変えようとすると、首筋に非常に力が入って痛みが出ます。

痛くてもう首が動かせない。もしくは頭を支えないといられないということが起こります。

柔らかい枕だと寝返りのたびに首に負担がかかる

なぜ柔らかい枕がむちうちを悪化させるのか?

柔らかい枕に頭が沈み込むと、寝返りのたびに首がグラグラと動いてしまい、炎症中の胸鎖乳突筋が伸ばされたり縮んだりを繰り返します。それでなくてもむちうちで痛んでいる神経ですから、安静を保たなければいけないのに、一晩中この刺激を受け続けると神経が回復する暇がありません。

硬くて高さの合った枕だと首に負担がかからない

これに対して一人ひとりの患者様に合った適切な高さで、表面が平らで、硬い枕を使っていただくと、寝ている時・寝返りの時に先ほど申し上げた胸鎖乳突筋が安定するので伸ばされたり縮んだりグラグラすることがなく、首に負担がかからないので痛みが出にくいんです。

変えてみましょう。

山田:ご自分の力を抜くことができませんか?

モデル:首が楽になりました。

硬くて高さの合った枕に替えると首が安定して楽になる

特に炎症期・急性期、首が痛い時には適切な枕を使うとその差がよくわかります。寝返りを打ってみましょう。手を前にバッテンして膝を立ててどうぞ。

山田:どうですか?これだと動けるのではないでしょうか。

モデル:さっきよりは首が楽に動かせます。

柔らかい枕では寝返りを打つときにとても首が痛かった患者さんでも、枕を変えた瞬間から寝返りを打つ時にも首が痛くなく動くことができるんです。

適切な枕に替えると寝返りの時の首の痛みが軽減する

急性期むちうちに枕に求められる3つの条件

  1. 硬さ——頭を沈み込ませず、首の位置を固定できる硬さ
  2. 高さ——仰向けで首の骨が自然なカーブを保てる、その人の体格に合った高さ(5mm単位の調整が理想)
  3. 平らな表面——凹凸のあるウレタン枕は寝返りのたびに首の角度が変わるため不可

むちうちで「夜になると痛い・寝起きが痛い」に対処する寝方のポイント

「むちうちは夜になると痛くなる」「朝、起きた瞬間が一番痛い」というご相談を診察室でよく受けます。これは長時間同じ姿勢で寝ている間に、合わない枕で首が微妙にずれ続けているために起こっている可能性が高いです。

むちうち急性期の「正しい寝方」チェックポイント

  • 仰向けで寝る——首が左右にぐらつかず、最も安定する姿勢
  • 枕の高さは「首のカーブが自然に保たれる高さ」——高すぎても低すぎても神経への負担が増す
  • 横向きは枕の側高が合っていれば可——ただし急性期は仰向けのほうが安心
  • うつ伏せは厳禁——首を極端に回した状態が続き、神経と筋肉の両方を圧迫する
  • 起き上がる時は必ず横向きになってから——仰向けからいきなり起き上がると首に大きな負荷がかかる

むちうち後に正しい枕と寝方を整えることは、痛みの悪循環を断ち切るためにも重要です。詳しいメカニズムはこちらをご参照ください。

交通事故で首を痛めたら日頃にも増して適切な枕が重要

不幸にも交通事故に遭って首を痛めてしまった場合、日頃にも増して適切な枕が重要です。

今晩から——事故に遭った直後から——枕を適切に整えてください。

早くに首が回復し痛みが取れれば早期にリハビリテーションを開始することもできますので、全体的な回復が早まることを祈っています。

ドクター考案の『整形外科枕』による症状の改善

山田朱織枕研究所では整形外科枕という、睡眠姿勢によるさまざまな症状の改善を目的としたオーダーメイド枕を提供しています。

整形外科枕は16号整形外科の山田朱織医師監修のもと、開発されました。

首を痛めてしまった場合、首を不安定にさせないためにも適切な体に合った枕が必要です。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。

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