コラム詳細

整形外科枕の硬さ調節・へたりチェックと対処法|素材の仕様変更から交換まで解説

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

オーダーメイド枕・整形外科枕

今回は整形外科枕の硬さを変更する方法と、へたりのチェック・対処法についてまとめて解説します。詳しくは整形外科枕の取扱説明書の7・8ページに調節方法が載っていますので、お持ちの方はご参照ください。

目次

硬さ調節の方法(HR / SR / SSR / U2)

整形外科枕を計測して使い始めたものの、どうしても硬さが気になるというご相談を受けます。

整形外科枕の硬さ調節

以前使っていた枕が羽毛・低反発・ビーズなど柔らかい枕だった場合、整形外科枕は硬くしっかりしているという印象を持たれる方が多いです。「硬い」と感じても、朝起きた時に枕がずれずに使えていればほとんどの方は徐々に慣れてきます。できればそのままお使いいただきたいところです。

しかし、枕がずれたり、不快感で眠れない、夜中に目が覚める、耳が痛いなどの場合には柔らかく調整が必要です。

シートの順番について [標準仕様のHR]

整形外科枕HR標準仕様のシート構成

整形外科枕の最も標準的な仕様として「HR」があります。外カバーを外してインナーカバーをめくると素材が何枚も重なっており、素材の角にアルファベットと数字のスタンプが押してあります。

上から順に:

  • T5 低反発ウレタン 5mm
  • T5 低反発ウレタン 5mm
  • T10 低反発ウレタン 10mm
  • P10 ポリエチレン 10mm
  • M ミックスウレタン(高さによって厚みが違う)
  • P5 ポリエチレン 5mm
  • P5 ポリエチレン 5mm

という順番がHR仕様です。スタンプを確認しながら取扱説明書を見ることで、ご自身での仕様変更が可能です。

整形外科枕・オーダーメイド枕

HRからSR(少し柔らかく)

HRからSRへの仕様変更

HRで硬いと感じる原因は、低反発ウレタン3枚のすぐ下にあるポリエチレン10mmシートです。頭を乗せた時に「ゴチン」と底をつく感触が、10mmと5mmでは大きく違います。

HRの4番目(P10)と6番目(P5)を入れ替えることで柔らかくなります。低反発ウレタンの下にP5が入る順番がSR仕様です。

SRからSSR(さらに柔らかく)

SRからSSRへの仕様変更

SRでも硬いと感じたら、低反発ウレタンの下にあるP5シートを抜いて一番下に入れてください。低反発ウレタンのすぐ下にミックスウレタンがきてポリエチレンの硬さが大幅に緩和します。これがSSR仕様です。

SSRでも硬い場合(U2仕様)

U2仕様への変更

SSRにしても硬さが気になる場合は、インナーカバー自体の張り感が硬く感じる原因になっています。そこで中に入っているT5シート2枚をインナーカバーの上に出し、その上から外カバーを付けます。低反発ウレタンが直接頭に当たる構造になり、全体が沈み込まずに表面だけがふわっと柔らかくなります。これがU2仕様です。

柔らかくしすぎることへの注意

柔らかくしすぎることの注意点

枕を柔らかく調整すると頭の当たり感は良くなりますが、硬い仕様に比べて寝返りの時に少し体が重たくなってしまうことがあります。

使い始めはSR・SSR・U2で慣らし、枕に慣れてきたら徐々に元の硬さ(HR)に戻していくことをおすすめします。

へたりのサインを確認する

枕がへたってきたかどうか、毎日使いながら気づくポイントをご説明します。以下のうち1つでも当てはまれば、へたりが起きている可能性があります。

  • 朝起きた時に枕が体から離れている
  • 腕を上げて万歳して寝ている
  • 手を敷いて寝ている
  • うつぶせ寝になっている
  • 朝起きた時に頭痛・手のしびれ・肩こり・いびきなど、以前なくなった症状が再び出てきた

へたりで枕の高さが合わなくなると枕が体から離れ、ひどいと頭が落ちてしまうこともあります。手を上げたり敷いたりするのも高さが足りなくなるサインです。肩の圧迫を回避しようとうつぶせ寝になることもあります。

このような症状が1つでも起こっているとすれば、枕がへたった可能性がありますのでお気軽に枕研究所にご相談ください。

整形外科枕・オーダーメイド枕

へたった時の4つの対処法

1.素材を部分的に交換する

素材を部分的に交換する方法

枕は表面の真ん中がへたっていくことが多く、一番上の低反発ウレタン(T5×2枚・T10×1枚)が劣化しやすいです。枕研究所では素材だけの購入も可能です。へたった素材を新しいものに交換するとしっかりした支えが戻ります。

素材交換後の状態

2.仕様を硬くして凹みにくくする

仕様を硬くする方法

SR仕様の場合、P5とP10を入れ替えてHR仕様に変更することで、頭を乗せた時に凹みにくくなります。高さは変わらないため、計測した値を崩さずに対応できます。

3.アジャスターシートで高さを補う

アジャスターシートで高さを補う方法

使用期間が長いと全体的にへたりが出て、計測時より高さが明らかに低くなることがあります。その場合はP5シート(アジャスター)を一番下に追加して高さを補ってください。それでも高さが足りないほどへたっているなら、作り替えをご検討ください。

4.素材の向きを変えてへたっていない面を使う

素材の向きを変える方法

首に当たる側がへたっている場合、素材の向きを変えてへたっていない頭の上側を首側として使う方法があります。

注意点として、枕をそのまま(カバーごと)向きを変えると首に角が当たって不具合が起こります。必ずインナーカバーから素材を取り出して向きを変え、T5シートが首側に垂れかけるように戻してください。

素材の向きを変えた後

実例:山田先生の3年使用枕のへたり測定

3年使用した整形外科枕のへたり測定

ここでは、山田先生が普段使っている整形外科枕ワイドロング(高さ6cm)を3年使用した時点で、枕診断士が実際に測定・調整した事例をご紹介します。「最近柔らかくなった気がする」「横向きで寝ると肩が圧迫される」という違和感がきっかけでした。

実際の測定結果

3年使用枕のへたり測定数値

  • 真ん中:荷重なしで6cm、2Lペットボトル載置で5.9cm → ほぼ正常
  • 左側(問題箇所):荷重なしで5.8cmにすでに沈んでいる → へたり確認
  • 右側:しっかり6cmを維持

左右差があることで寝返りにも影響が出ていました。実際に左側を向くと肩が圧迫され頭が下がる感じ・顔の圧迫感があり、左側からの寝返りで骨盤が重く動きにくい状態でした。

素材の劣化を触って確認

素材の劣化を手で確認

中を開けて手で押してみると、真ん中は押した後すぐ元に戻りますが、左側は戻るまでに時間がかかる状態でした。また下側の硬いポリエチレンシートにも左側にへこみ癖がついており、シートを反転させることで改善しました。

素材交換で改善

素材交換後の改善

表面のウレタン素材を新しいものに交換した結果、調整前よりも肩の圧迫がなくなり寝返りが打ちやすくなりました。新しい素材と古い素材を比べると色の変色(茶色化)でも劣化が一目瞭然でした。

2年に1回のメンテナンスのすすめ

今回の山田先生の事例は3年経過していましたが、枕のメンテナンスは2年に1回をおすすめしています。2年経つと素材のへたりや体格の変動によって計測時の高さでは不具合が起こる方もいます。

整形外科枕をご購入後2年間は会員サポートが付与されており、調整自体は無料で受けられます(素材交換が必要な場合の素材は有料)。2年を超えても更新が可能で、最長6年の会員期間となっています。

「作ってから結構経ったな」「へたってきたかも」と感じている方は、ぜひ一度メンテナンスにご来店ください。

サポート詳細

ご購入後の2年間、調整・再計測が無料|ロロジー会員について

よくある質問(FAQ)

Q 整形外科枕が硬く感じます。どの仕様から試せばいいですか?

A

まずHR→SRへの変更(P10とP5の入れ替え)をお試しください。それでも硬い場合はSSR、さらにU2と段階的に試してください。ただし柔らかくするほど寝返りがしづらくなるため、慣れてきたら元の硬さに戻すことをおすすめします。

Q 整形外科枕がへたっているかどうか、どう確認しますか?

A

朝枕が体から離れている、万歳・手敷き寝・うつぶせ寝になっている、頭痛や手のしびれなど以前なくなった症状が再び出た場合はへたりのサインです。枕に2Lペットボトルを置いて計測時の高さより5mm以上下がっている場合も素材交換の目安です。

Q 素材交換はどこで購入できますか?費用はどのくらいですか?

A

素材だけの購入は枕研究所で可能です。素材代は内部の素材1枚あたり、標準サイズ1,540円(税込)、ワイドサイズ2,200円(税込)です。会員期間内の調整自体は無料です。

Q メンテナンスはどのくらいの頻度で行うべきですか?

A

2年に1回のメンテナンスをおすすめしています。2年経つと素材のへたりや体格の変動による不具合が起こりやすくなります。会員サポートは購入後2年間が無料で、更新により最長6年まで延長できます。

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  • 診察をしている山田朱織

    「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」

    16号整形外科院長 医学博士
    ㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
    治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
    睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。

本コラムの内容は動画でもお話ししています▼

へたり確認・素材交換の様子は動画でもご覧いただけます▼

山田先生の枕調節の様子は動画でご覧いただけます▼

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