データより心を動かせ|整形外科医が20年のプレゼンで学んだこと
16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

今回は「整形外科医の本音シリーズ」として、プレゼンテーションについてお話しします。
医師の本来の仕事は診療や治療ですが、私はもう一方で枕の伝道師として、枕がどれだけ大切かを伝える啓蒙活動を続けています。プレゼンテーションは私の仕事の柱の1つと言っても過言ではありません。
最初のプレゼンは緊張した
プレゼンを始めたのは20年以上前のことです。初めて登壇した時のことは今でも覚えています。汗ダクダク、心臓バクバク——とにかく緊張しました。
当時はまだ枕の重要性が全く認識されていない時代で、教授や専門のドクターを前に「枕の話」をするのは本当に勇気がいることでした。
しかし何十回、何百回と繰り返すうちに段々と慣れてきました。専門家だけでなく、一般の方に向けて話す機会も増えていきました。
プレゼンはその人の性格が出る
プレゼンというのは、その人の性格がそのまま出るものだと感じています。私は情報を大量に詰め込んでしまうタイプで、1時間の講演でも100枚ほどのスライドを使って弾丸のように話してしまう——まさに自分の性格そのもののプレゼンになっていました。
そんな私が、あることをきっかけに猛反省することになりました。
プレゼンの神様たちが教えてくれた2つの大切なこと
韓国から、私の著書「枕革命」の韓国版を読んで感動し、当研究所に見学に来てくださった先生がいました。その先生のためにプレゼンを準備していたある夜中のことです。
またしても70枚のスライドを用意してアカデミックに科学的データを見せようとしていた私は、ふと本棚に目をやりました。そこには20年前のプレゼン修業時代に読んだ本が並んでいました。
ガー・レイノルズ、スティーブ・ジョブズ——いわゆる「プレゼンの神様」と呼ばれる方々の著書です。手に取って読み返すと、こんな言葉が目に入りました。
プレゼンで大事な2つのこと
- ストーリーで語ること
- 心を動かすこと
決してデータばかりを見せて話すのではなく、ストーリーとして聞く人の心に染みるように話すことが大事——そう書かれていました。
「自分がこれだけのことをやってきました」とスライドをたくさん見せるのではなく、相手が何を求めているのか、なぜここに座って聞いてくれているのか。その相手の求めに対して、心を持って誠実にストーリーとして答えていく。それができなければ、聞く人の心には届かないのです。
スライドを捨てた夜、韓国の先生が動いた
その夜、私は準備していたスライドをどんどん削りました。何十枚もあったものを大幅に絞り込み、画面いっぱいの写真1枚で多くを語るスタイルに変えました。
そして韓国の先生にお話ししたところ、先生は何度も立ち上がって「僕もそう思います」と評価してくださいました。
帰国後、飛行機を降りてすぐに枕の素材を買い、自分のクリニックの看護師さんたちに手作り枕を作ってあげたそうです。その2日後、症状が改善した看護師さんの声がLINEで届きました。
これこそが、心が動いた証拠だと感じました。ストーリーとして受け入れられたから、先生は行動したのです。
聞いてくださっている皆さんの中にも、「自分もそうだった」と思ってくださる方がいれば嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
整形外科医の本音シリーズ あわせてお読みください

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「山田朱織(やまだしゅおり)とは?」
16号整形外科院長 医学博士
㈱山田朱織枕研究所 代表取締役社長 マクラ・エバンジェリスト
治療の一環として枕を指導する「枕外来」を開設し、
睡眠姿勢や枕の研究を行っております。
普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
できるだけそのままお伝えしております。
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