コラム詳細

気圧の変化でめまいが起きる理由|ふわふわ・回転性・立ちくらみと5つの対処法

気圧の変化でめまいが起きる理由|ふわふわ・回転性・立ちくらみの違いと5つの対処法

16号整形外科院長であり山田朱織枕研究所代表の山田朱織(やまだしゅおり)が解説します。

山田朱織が診察をしている様子

普段から診察室で患者様にお伝えしていることをできるだけそのままお伝えします。


「雨の前になるとふわふわする」「低気圧が来るとぐるぐる回る感じがする」——今回は気圧の変化がなぜめまいを引き起こすのか、そのメカニズムと今日からできる対処法を整形外科医の立場から解説します。

目次



梅雨の時期や季節の変わり目に起こる体調不良は、多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。

当院にいらっしゃる患者様の中には「梅雨が来るのが怖い」とおっしゃる方もいます。それほど気圧によるめまいは日常生活に影響を与えるものです。

温度・湿度・気圧の変動が自律神経をアンバランスにして体調不良を引き起こしますが、中でもよく起こるのが頭痛とめまいです。このコラムでは「めまい」に絞ってご説明します。

気圧変化による頭痛のメカニズムは気圧が上がると頭痛になるのはなぜ?のコラムで詳しく解説していますのでご参照ください。

気圧の変化とめまいの関係——なぜ天気が悪いとめまいがするのか

耳鼻科領域ではめまい・難聴・耳鳴りが気圧変動と関連していることが近年の研究で明らかになってきています。

「なんとなく天気が崩れるとふわふわする」「低気圧が近づくと目が回る感じがする」というのは、気のせいでも大げさでもありません。気圧の変化が体の内側に確かな影響を与えているのです。

特に6月〜7月の梅雨時期と、仕事の繁忙期が重なる3月・9月の季節の変わり目は、気圧の変動とストレスが重なりやすく、めまいが悪化しやすい時期として知られています。

また女性の方、特に20〜60代の幅広い年代でめまいが起きやすいことが分かっています。

内耳の気圧センサーがめまいをコントロールしている

内耳の気圧センサーとめまいのメカニズム図解

めまいの発生に深く関わっているのが内耳の気圧センサーです。

耳の奥にある内耳には、体のバランスをつかさどる三半規管・耳石器があり、同時に気圧の変化を感知するセンサーとしても機能しています。この内耳こそがめまいをコントロールしている場所です。

【気圧変化からめまいまでの流れ】

① 気圧が変化する(上昇・下降どちらも)

② 内耳の気圧センサーが過剰に反応

③ 内耳の前庭神経が興奮し、脳幹へ誤った信号を送る

④ 自律神経のバランスが崩れ、めまい・吐き気・ふらつきが出現

気象病の方はこの気圧センサーの感受性が非常に敏感になっているため、わずかな気圧変化でも強く反応してしまいます。

また内耳は難聴や耳鳴りとも密接に関係しており、気圧変化のタイミングで耳鳴りが悪化するという方もこの仕組みで説明できます。

気圧めまいの3つのタイプ:自分はどれ?

めまいにはいくつかの種類があり、タイプによって特徴が異なります。自分がどのタイプかを把握しておくと、受診先や対処法の選択がしやすくなります。

1、回転性のめまい

自分は動いていないのに、天井や壁がぐるぐる回って見えるめまいです。

気圧変動と最も関連が強いタイプとされており、低気圧が近づいたときや、気圧が急に変化する日に多く見られます。

内耳(三半規管・耳石)の異常が原因であることが多く、耳鼻科での診察が適しています。

2、浮動性のめまい(ふわふわめまい)

地に足がついていないようなふわふわ・ふらふらする感覚のめまいです。

整形外科でも診ることが多く、首(頸椎)の問題や自律神経の乱れが原因となる場合があります。「低気圧 めまい ふわふわ」という症状はこのタイプに相当します。

※ 首の問題が原因のめまい(頚性めまい)や枕との関係については、めまいの改善には適切な枕が重要|枕で改善するめまいを紹介で詳しく解説しています。

3、立ちくらみ

急に立ち上がったときにふらっとする症状で、自律神経と密接に関係しています。

気圧変動によって自律神経のバランスが崩れると、血圧調整がうまくいかずに立ちくらみが起きやすくなります。季節の変わり目に症状が出やすい方はこのタイプの可能性もあります。

気圧によるめまいは何科を受診すればよいか

「気圧でめまいがするとき、何科に行けばいい?」というご質問をよく受けます。

【受診の目安】

まずは耳鼻科へ:めまいの多くは内耳が関係しているため、最初の受診先として耳鼻科が適しています

・耳鼻科で内耳の問題がなければ、首・自律神経が原因の可能性があるため整形外科・神経内科への紹介を受けるとよいでしょう

・ふわふわめまいで首の痛みや肩こりを伴う場合は整形外科でも診られます

自分のめまいのタイプがわからない場合も、まずは耳鼻科を受診してください。診断を受けた上で、耳鼻科領域のめまいであればそこで治療を、それ以外の原因が疑われる場合は適切な科へ紹介していただくのがよいでしょう。

自己判断で市販薬に頼り続けることはおすすめしません。きちんと診断を受けた上で、適切な治療・薬を選ぶことが大切です。

気圧めまいの5つの対処法

基本的なことばかりですが、いかにきちんと実践するかが大事です。気圧の変化そのものは変えられないからこそ、体の側を整えておくことが予防につながります。

1、睡眠環境を整える

睡眠時間は人それぞれ異なりますが、自分にとって必要十分な睡眠を確保することが重要です。

梅雨時期は蒸し暑さで眠れない夜が増え、繁忙期は睡眠時間自体が削られます。この「気圧変動+睡眠不足」の重なりがめまいを悪化させます。

睡眠環境を整えて質の良い睡眠を確保することを、特に梅雨・季節の変わり目の時期に意識してください。

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2、リラックスして自律神経を整える

交感神経と副交感神経のバランスを整えることがめまい予防の核心です。

自律神経のバランスを整えるために、夜ゆっくりお風呂に浸かる、好きな本を読む、寝る前に深呼吸をするなど、自分なりのリラックス習慣を生活に取り入れましょう。

「気圧変動の日は必ずめまいが出る」という不安感そのものも自律神経を乱す要因になるため、日頃からストレスを逃がす工夫が大切です。

3、生活リズムを一定に保つ

起床・食事・就寝の時間がバラバラだと、自律神経がすり減ってしまいます。毎日同じリズムで生活することが自律神経の安定につながり、気圧変動への耐性も高まります。

特に繁忙期は生活リズムが崩れやすいため、意識的に一定のリズムを守ることがめまい予防に有効です。

4、薬による治療(トラベルミンなど)

気象病によるめまいに効果が注目されている市販薬としてトラベルミンがあります。内耳への刺激を抑える成分が含まれており、気圧めまいに使われるケースがあります。

ただし、必ず診断を受けた上で、適切な薬を選ぶことが大切です。市販薬で一時しのぎをするのではなく、耳鼻科を受診して処方薬の使用を検討してください。

めまいの予兆を感じる方は、症状が出る前に飲む薬を処方してもらえる場合もありますので、耳鼻科の先生に相談してみてください。

5、耳のくるくるマッサージ

耳のマッサージをすると耳周りの血流が良くなり、内耳の働きをサポートする効果が期待できます。気圧変動の日の予防として、また症状が出始めたときのセルフケアとして取り入れてみてください。

具体的なやり方(耳のくるくるマッサージ・タオル体操)は気象病の対策ページで写真付きで解説しています。


気圧によるめまいは、内耳の気圧センサーと自律神経の乱れが組み合わさって起こります。梅雨・季節の変わり目は特に注意が必要ですが、睡眠・リラックス・生活リズムという基本的な対策を丁寧に実践することが最大の予防になります。

少しでもめまいの辛い日が減るよう、ぜひ日々の生活の中で取り入れてみてください。


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    普段から診察室で患者様にお伝えしていることを
    できるだけそのままお伝えしております。


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